教師の文章仕事をAIに任せたら何時間浮くか計算してみた


教師という仕事、授業だけやってればいいと思ってる人がどれだけいるか。

10年間高校で数学を教えていた自分からすると、「授業は仕事のほんの一部」というのが正直な感覚だ。放課後も、土日の一部も、夏休みも、何かしら「文章を書く仕事」が降ってくる。

今は専業主夫になってそのしんどさを距離感を持って振り返れるようになったのと、AIを使い始めて「あの頃これがあったら」と思うことが多くなった。だから今回は数字で整理してみる。

教師の文章仕事、主なもの全列挙

まず現役時代の自分がどんな文章仕事をしていたか書き出す。

仕事の種類頻度月あたりの時間
学級通信月1〜2回2〜4時間
通知表の所見年2〜3回約2.5時間
授業プリント・教材週1〜2回4〜12時間
保護者向けお便り月数回1〜2時間
学習指導案授業研究のたびに4〜8時間
生徒へのコメント随時2〜3時間
会議資料・報告書月数回2〜4時間
合計約15〜20時間

これだけで月に換算すると、最低でも15〜20時間は文章仕事に使っていた計算になる。指導案があった月は余裕で25時間超える。

「そんなもんか」と思う人もいるかもしれないが、これ全部、授業の準備・採点・部活・生徒対応・保護者対応をやりながら上乗せされる仕事だ。

実際にAIに任せてみた

現役じゃないので「過去の業務をAIで再現してみる」形でいくつか試した。

学級通信は一番手応えがあった。「4月の学級通信、新クラスへの期待と学習への心構えを書いて、高校2年生向け、600字程度」と指示を出したら、ほぼそのまま使えるレベルのものが2分で出てきた。自分で書いてた頃は下書き・推敲で1時間半はかかってたから、これは正直驚いた。

通知表の所見も試した。「授業中はやや受け身だが、テストでは安定した結果を出している生徒への所見を書いて」と入れると、無難だけどちゃんとした文章が出てくる。ただここは「無難」が問題で、40人分を出力させると全員似たような文章になりがちだ。結局、AIに叩き台を出させて自分で手を加える形が現実的だと感じた。

指導案は構成を作るだけで役立った。「二次方程式の導入、50分授業、高校1年生」でたたき台を出させると、形式の下書きは10分かからず完成する。中身の詳細は自分で書き直す必要があるが、白紙から始めるより明らかに楽だ。

保護者向けお便りは得意分野らしく、行事の案内文などはほぼそのまま使えるクオリティだった。

で、何時間浮くのか

正直に計算する。

仕事現状(月)AI削減分残り作業
学級通信(月2回)3時間▲2時間確認・微修正
通知表の所見5時間▲2時間個別修正が必要
教材・プリント8時間▲3時間内容確認は必須
保護者向けお便り2時間▲1.5時間ほぼ任せられる
指導案6時間▲3時間中身は自分で
会議資料・報告書3時間▲1.5時間事実確認が必要
合計27時間▲13時間

月換算で、だいたい13時間浮くという計算になった。

全部AIに丸投げは無理だ。特に所見や指導案は「自分の言葉・自分の判断」が必要な部分が多くて、そこをAIに任せると中身が薄くなる。でも「下書き」「たたき台」「構成」をAIに出させるだけで、かかる時間はざっくり半分になる感覚だ。

まとめ:「全部は無理、でも月13時間は浮く」

10年前の自分に教えてあげたい。月13時間あったら、もう少し余裕を持って生徒と向き合えたかもしれない。部活後の疲れた頭で学級通信を書かなくて済んだかもしれない。

現役の先生に言いたいのは、「完璧な文章を最初からAIに書かせる」のではなく、「下書きを5分で作らせて、自分は中身の判断だけに集中する」という使い方を試してほしいということだ。道具として使うコツをつかめば、確実に楽になる。

AIは教師の仕事を全部やってくれるわけじゃない。でも「文章を書き始めるまでの重さ」を取り除くのは得意だ。その分だけでも、夜が少し楽になると思う。