元教師がClaudeに学級通信を書かせてみた|最初は70点、でも"育てられる"と気づいた話
現役じゃないのに、ちょっと試してみた。結果、思ったより面白かった。
きっかけ
きっかけは本当に軽いノリだった。
「元数学教師として、一度くらい試しておくか」というくらいの気持ち。現役を離れて2年以上経つし、今は2歳の子どもを追い回す毎日で学校とは縁遠い。でも、Claudeで何でもできるというのを聞いて、じゃあ学級通信も書けるんじゃないかと思ったわけだ。
面白かったのが、プロンプト(Claudeへの指示文)を自分で考えなかったこと。「学級通信を書かせるには、どんな指示をすればいい?」とClaudeに聞いたら、必要な条件を逆に教えてくれた。「AIに何を頼めばいいか、AIに聞く」という感覚、これが結構クセになる。
使ったプロンプトと結果
最終的に使ったプロンプトはこれだ。
高校1年生向けの5月の学級通信を書いてください。
条件:
・担任は30代男性
・クラスは38人、にぎやかで明るい雰囲気
・5月の内容(中間テスト前の時期)
・A4・1枚分の分量
・生徒への語りかけと、保護者へのお知らせを含む
結果は、3ブロック構成の学級通信が出てきた。
- 生徒へのメッセージ(テスト前の励まし・勉強の向き合い方)
- 保護者へのお知らせ(5月の行事・テスト範囲の確認)
- 5月の予定一覧

分量もA4一枚に収まる感じで、Wordファイルでのダウンロードもできた。「指示を出してから完成まで2分もかからなかった」というのが正直な感想だ。
元教師の正直な評価
特に大きな不満はなかった。構成はしっかりしているし、テスト前という時期に合った内容だし、保護者向けの文章と生徒向けの文章がきちんと使い分けられていた。「ゼロから書く手間」を考えたら、かなりありがたいレベルだと思う。
ただ、正直に言うと、「人と人のやりとり」感がない。
文体が平均的すぎる。教師それぞれが持っている、ちょっとした言い回しや口癖、自分のクラスだけに通じる小ネタ——そういうものが全部ない。当たり前だけど、「先生の個性」がゼロなんだ。
点数をつけるなら70点くらい。合格点ではあるけど、「この先生の通信だな」という感じがまだない。
でも、「育てられる」と気づいた
ここで怒るのは間違いだと思う。
個性がないのは当然で、Claudeはまだその先生のことを何も知らないからだ。最初から完璧を求めるのは、赴任初日の新任教師に「もっと個性を出して」と言うようなもの。そんな無茶な話はない。
面白いのは、Claudeは「育てられる」点だ。
毎月、自分が実際に書いた学級通信を読み込ませていく。「こういう言葉遣いが好き」「笑いを取る時はこういう小ネタを入れる」「保護者向けはちょっとかしこまる」——そういう情報を積み重ねていくと、だんだんその先生らしい文体に近づいていく。
最初から完成品を求めるより、一緒に育てていく感覚の方が正解に近い。それはAIとの付き合い方として、ひとつの本質じゃないかと思った。
現役の先生こそ使ってほしい
元教師の自分が試してみてわかったのは、「これ、現役の先生にこそ使ってほしい」ということだ。
学級通信って、毎月のルーティンだけど地味に時間がかかる。ゼロから書き始めると、構成を考えて、言葉を選んで、バランスを調整して——気づいたら1〜2時間経っていることもある。その時間が、Claudeを使えば大幅に短くなる。
空いた時間で何ができるか。生徒と話す。授業の準備をする。早く帰る。どれも大事なことだ。
AIは道具だ。完璧じゃないし、個性もない。でも使いこなすのは先生自身で、その先生が育てていくことで、だんだん自分の色が出てくる。
「完成品を買う」じゃなくて「一緒に育てる」——そういう感覚で使ってみると、意外とハマるかもしれない。