元数学教師がChatGPTで数学の問題を作ってみた|単元によって精度が全然違う話


本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。本記事はClaude・ChatGPTを活用して作成しています。内容は元教師としての実体験をもとに構成し、事実確認・校正を行っています。

数学のテスト作りは、思いのほか手間がかかる。

問題を選ぶ。難易度を考える。そしてひっかけの選択肢を考える。

特に選択肢が厄介だ。ただの間違いではなく、「生徒がよくやりがちなミスから導かれる答え」でないとひっかけとして機能しない。

これをChatGPTに任せたらどうなるか。元高校数学教師として、3つの単元で試してみた。


試した3単元と方法

今回試したのは、以下の3単元だ。

  • 因数分解(前回の小テスト記事でも扱った)
  • 二次方程式
  • 三平方の定理

いずれも「Microsoft Formsに貼り付けられる形式で、5問4択のテストを作ってほしい」と指示して出力させた。

出てきた問題を、元高校数学教師として一問ずつ確認した。注目したのは選択肢の質だ。生徒が実際にやりがちなミスが選択肢に反映されているかどうか。


二次方程式|選択肢の質が高かった

3単元の中で、最も選択肢の質が高かったのが二次方程式だ。

たとえばこんな問題が出てきた。

4. 2x² - 5x + 2 = 0 を解きなさい。

① x = 1/2, 2
② x = -1/2, -2
③ x = 1, 2
④ x = -1, -2

正解は①だが、③の「x = 1, 2」に注目してほしい。

これは、係数2を無視してしまった場合の答えだ。2x²の「2」を落として解こうとすると、x² - 5x + 2のような式を解くことになる。高校生がやりがちな典型的なミスで、非常に良い選択肢だと思った。

他の問題でも同様に、符号のミス・係数の見落とし・解の公式の計算ミスなど、実際の授業で目にしてきたようなエラーが選択肢に入っていた。

二次方程式は、そのまま使えるレベルの質だった。


三平方の定理|問題によってばらつきがある

三平方の定理の問題も試してみた。

こちらはやや質にばらつきがあった。

斜辺を求めるタイプや、1辺が未知のタイプは概ね良い選択肢が出た。

2. 直角三角形で、斜辺の長さが 13cm、他の1辺の長さが 5cm のとき、残りの1辺の長さを求めなさい。

① 12 cm
② 8 cm(13-5)
③ √194 cm(13²+5²の計算ミス)
④ 18 cm(13+5)

②の「8cm(13-5)」、④の「18cm(13+5)」は足し算・引き算で雑に解こうとした場合の典型的なミスだ。③は二乗の足し引きを逆にした計算ミス。これは現場でも見たことがある。

一方、単純な穴埋めタイプになると選択肢が弱くなった。

1. 直角三角形で、直角をはさむ2辺の長さが 3cm、4cm のとき、斜辺の長さを求めなさい。

① 5 cm
② 6 cm
③ 7 cm
④ √7 cm

「6cm」「7cm」がどんな計算ミスから出てくるのか、正直よくわからない。3+4=7という加算ミスと考えれば③は辛うじて説明できるが、②は根拠が薄い。こういう単純な問題では、選択肢が甘くなりやすい。


元数学教師が気づいたパターン

3単元を試してみて、一つのパターンが見えてきた。

計算手順が複数ある問題ほど、AIのひっかけ選択肢の質が上がる。

なぜそうなるのか。手順が多いほど、途中でミスをするポイントが多い。AIはそのミスのパターンを学習しているため、「よくある計算ミス」から自然に選択肢を生成できる。

逆に、手順がシンプルな問題は正しい答え以外を作りにくい。3-4-5の三辺を覚えていれば一発で出る問題に、自然なひっかけを入れるのは難しい。それはAIにとっても同様だ。

この傾向は、どの単元でも当てはまると思う。


使える場面・使えない場面

試してみてわかったことをまとめると、こうなる。

そのまま使えるレベル

  • 二次方程式(解の公式・因数分解による解法)
  • 複数ステップの計算問題全般

選択肢を要チェック

  • 図形の基本公式の穴埋め
  • 定義・定理の暗記系
  • 計算がシンプルすぎる問題

AIが苦手(そもそも向いていない)

  • グラフを読む問題
  • 証明問題
  • 記述式の答案

向いている問題とそうでない問題の見極めが、AIをうまく使うコツだと感じた。


まとめ|問題文はAIに、選択肢のチェックは教師に

ChatGPTで数学の問題を作ることは十分できる。

ただし、選択肢の質は必ず教師が確認する必要がある。 特に数学は、「数学的に不自然な選択肢」が混じっていないかを見極める専門的な目が必要だ。

AIが得意なのは「問題文の生成」と「よくある計算ミスからの選択肢作成」だ。Microsoft Forms形式で出力させればそのまま貼り付けられて、テスト作成の時間をかなり短縮できる。

完成品をそのまま使うのではなく、AIが作った下書きを教師が整える。この使い方が、数学のテスト作成では現実的だと思う。

テスト作成にAIを活用したい先生には、こちらの書籍も参考になる。

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小テスト作成をChatGPTで試した体験はこちらにもまとめた。

元教師がChatGPTで小テストを作ってみた